ベランダ防水工事をしても雨漏りをする理由
ベランダ防水をしても雨漏りをすることは多いので、防水の質にこだわるのは、内部への浸水を防ぐうえでもとても重要だと言えます。ベランダ防水をしても雨漏りをする理由は次の通りです。
理由① 耐用年数を迎えたから
ベランダ防水の方が屋上防水よりも早くに耐用年数を迎えてしまうことがあります。この場合、新築時に採用したベランダの防水が、屋上の防水に比べてグレードが低い可能性が考えられます。
理由② 防水表面が痛みやすいから
屋上に比べるとベランダの方が人の出入りが頻繁なため、ベランダの防水表面は痛みやすいです。たとえば、家庭の多くはベランダに洗濯物を干すため、屋上よりもベランダの方が利用頻度が高いです。さらに利用頻度が高いにも関わらず、屋上よりもベランダの方が防水性能が低い点も、ベランダの方が痛みやすい理由となります。
理由③ 排水状況が悪いから
ベランダには色々な物を置くことが多いため、排水状況や水の渇きが悪くなります。つまり、水がベランダに残りやすくなることで浸蝕を受け、痛みやすいことが考えられます。
日光よりも水の浸蝕の方が、防水材の劣化を進行させやすいので、屋上よりもベランダ防水の劣化が原因で、雨漏りをする可能性が高くなります。
ベランダ防水のよくあるトラブル3選
ベランダ防水でよくあるトラブルをご紹介します。小さなトラブルでも、放っておくと徐々に建物を劣化させるので、チェックしておきましょう。
① 水たまりができる
水たまりができる原因には、勾配がとれていなかったり、排水ドレンが詰まっていたりすることが考えられます。水たまりができると、防水材の劣化が早まります。水たまりをトラブルとは考えづらいのですが、後に水漏れに繋がる可能性もあるので、しっかり対処しておきたいところです。
② 床にヒビがある
床にヒビが入り、雨漏りをする場合はFRP防水で使われているガラス部材が割れていたり、ウレタン防水材が破れていたりする可能性があります。特にひび割れがあると、防水材の中まで浸水して、防水材の腐食につながります。
③ トップコートの塗料が剥げている
床用の防水塗装が劣化すると、トップコートの塗料がはげやすくなります。塗料は太陽の紫外線から、ベランダの床面を守る働きがあります。そのため、塗料が剥がれると、ベランダの床が紫外線からのダメージを受けやすくなるので注意が必要です。
ベランダやバルコニーの5つの防水工法
ベランダやバルコニーに適した防水工法は次の通り。
- ウレタン防水
- FRP防水
- ベランダ・通気緩衝工法
- ウレタン密着工法
- ポリマーセメント防水
以上のように、ベランダやバルコニーの防水工法は多様です。施された防水工法を見分けるのには、まずは床を指でノックするとよいです。たとえば、FRP防水が施されたベランダをノックすると「コンコン」と軽い音がします。一方で触った感触が柔らかい場合は、ゴムシートやウレタンゴムを使った防水だと言えます。
FRP防水|駐車場にも利用されるほど丈夫
FRP防水とはガラス繊維にポリエステル樹脂と硬化剤を混ぜたものを塗布して防水をする方法です。衝撃に強く、水の浸蝕への耐性も高い上に、成形しやすい特徴があります。数ある防水材の中でも硬く、強度があり、摩耗しにくいため駐車場の防水材としても利用されます。
ウレタン防水|経済的で環境に優しい
ウレタン防水は密着性に優れ、改修の際に重ね塗りが可能です。そのため、以前使った防水材を撤去せずにそのまま使えるので、経済的で環境にも優しいのです。
ウレタン密着工法|塗膜で造られた防水層で雨水を防ぐ
ウレタン密着工法とは液状のウレタン樹脂を塗り、塗膜で作られた防水層で雨水を防ぐ防水工事です。施工時に埃や汚れが付着したままでは接着不良を起こしたり、下地の調整がしっかりされていないと、防水層が剥がれたり破れたりする場合があります。そのため、見えない部分までしっかり処理することが重要です。
通気緩衝工法|緩衝材としての機能も果たす
通気緩衝工法とは防水下地に残った水分を拡散して、防水マットやシートに膨れた部分ができないようにする防水工法。また下地のひび割れや押さえコンクリートの状態に合わせた緩衝材として働きます。結果的に防水層が破れたり、割れたりするのを防げます。
ポリマーセメント防水|環境に優しい防水工法
ポリマーセメントは水性ですので、有害成分や可燃性成分がなく環境に優しい材料です。また、塗膜に弾力性があり下地の亀裂に対する追従性が優れています。
ポリマーセメント防水では有害成分や可燃性成分が含まれない環境に優しいポリマーセメントで施工を行います。弾力のある塗膜で、下地の亀裂を柔軟にサポートできます。
改修や新設時のベランダ防水工事
ベランダの防水工事は、改修と新設では工事の作業内容が異なります。ここでは、FRP防水の工事を例に、改修工事と新設工事の流れをご紹介します。
改修工事の手順
改修工事をする場合のベランダ防水工事の手順をお伝えします。
手順1 ベランダを片づける
ベランダに防水工事を行う前に、片づけを行う必要があります。
- 室外機や鉢植えなどの設置物を移動
- 立ち上がりや平面を高圧洗浄
- 付着物を掃除する
手順2 プライマー塗布
接着剤として使える樹脂を塗布して、既設防水のトップコートと新規防水のトップコートを密着させる
手順3 トップコート塗布
紫外線や磨耗に強い樹脂をコテで塗り、仕上げをする
手順4 設置物をもとに戻す
トップコートが乾燥したら、設置物を戻す
新設工事の手順
防水材を新設する場合のベランダ防水工事の手順をお伝えします。
手順1 既設防水層を撤去
以前の防水層が残されている場合は撤去します。
手順2 下地調整
下地調整は以下の通りです。
- 表面処理
- 角処理
- 目地処理
- クラック処理
- 不陸調整
新設時にも細かいところまで下地調整すると、防水材の劣化がしにくくなります。
手順3
防水層を密着させるための接着剤のような働きをするプライマーを、ベランダの立ち上がりや平面に塗る。
手順4
ポリエステル樹脂を塗布する
手順5
ガラス繊維にコテやローラーでポリエステル樹脂を塗布し、防水面を作ります。ポリエステル樹脂の塗布は、2回以上行うと強度や弾力性が高まります。
手順6
FRP防水施工の途中で、余分な場所があれば、サンダーで削ります。
手順7
コテでトップコートを仕上げる場合は、紫外線や磨耗に強い樹脂を利用します。
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